
みなさん、突然だが「徳川家康の墓地」と聞いて、どこを思い浮かべるだろうか? 徳川家康といえば、日本史でも屈指の知名度を誇る戦国武将であり、江戸幕府を開いた初代将軍である。歴史の教科書でおなじみの人物だが、その墓地がどこにあるのか、実は意外に知られていないかもしれない。ここでは、そんな家康の墓地について、歴史的背景から実際のアクセス方法、周辺観光情報に至るまで、ガッツリ紹介する。
この記事を読むことで、以下のようなメリットがある。
- 徳川家康の墓地の所在地を正確に知ることができる
- 歴史的背景や埋葬にまつわる興味深いエピソードを学べる
- 実際に訪問する際に便利なアクセス情報や見どころを押さえられる
- 家康の墓がなぜいくつも存在するという噂があるのか、その真相に迫れる
- 周辺観光スポットやグルメ情報など、一度の旅行で満喫するコツを得られる
「まさか墓を巡るだけで旅気分になれるのか?」という疑問をお持ちの方もいるかもしれない。しかし、歴史を感じながら観光を楽しむのは日本人の得意分野である。徳川家康は生涯を通して波乱万丈だったが、その死後も謎や逸話が満載だ。どれくらい満載かといえば、江戸幕府300年の歴史を背負っているだけに、いくらでも出てくるほどである。この記事では、それらを余すところなく紹介する。
いざ、徳川家康の墓地の魅力を徹底解剖していこう。
1. 徳川家康とは何者?改めて知る人物像
まずは「そもそも徳川家康とはどんな人物だったか」を簡単におさらいしよう。徳川家康(1542年~1616年)は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将で、天下統一を果たし、江戸幕府を開いた初代将軍である。
幼名は「竹千代」だが、その人生は一言では語り尽くせない。少年期には人質として今川家に預けられたり、織田信長や豊臣秀吉と協力・対立を繰り返しつつ、やがて政権を自分の手中に収めた。家康といえば「鳴くまで待とうホトトギス」の逸話でも知られるが、忍耐強く機を見るに敏な政治手腕は歴史ファンの間で絶賛されている。
家康は1616年に75歳で死去したが、死後に残された墓がどのように管理され、どこに祀られているのかは意外と複雑だ。実は一度きりで終わらず、複数の場所に「徳川家康の墓地」と呼ばれるところが存在している。
ここまで聞いただけでも、「なんだかややこしそうだし、いったいどこが本物?」と疑問に思う人もいるだろう。大丈夫、次の見出しでしっかり解説していく。
2. 徳川家康の墓地はどこにあるのか?
「徳川家康の墓地はどこにあるのか?」という問いに対して、結論からいえば、主要候補は**久能山東照宮(静岡県)と日光東照宮(栃木県)**の2つである。ネット上でも「久能山か日光か、どちらが本当なの?」という議論がしばしば見られるが、実は「どちらも本当」だといわれている。
2-1. 久能山東照宮と徳川家康の墓地
徳川家康が亡くなったのは1616年(元和2年)のことで、最初に埋葬された場所が久能山東照宮である。駿河(現在の静岡県)に位置する久能山は、家康が生前に「自分が死んだら久能山に葬れ」と遺言を残したとも伝えられる由緒ある地だ。
久能山東照宮は日光東照宮よりもやや知名度が低いかもしれないが、実は「元祖東照宮」とも呼ばれる。徳川家康の遺骸はこの地で火葬され、その遺骨の一部が埋葬されたとされる。現地には「神廟(しんびょう)」があり、そこが家康のお墓としての役割を担っている。
2-2. 日光東照宮と徳川家康の墓地
一方、家康の一周忌が過ぎた後に、遺骨の一部が日光東照宮へ移されたとされる。日光東照宮は世界遺産にも登録されており、極彩色の豪華絢爛な建築群や「眠り猫」「三猿」などで世界的に有名だ。
日光東照宮にも「奥社(おくしゃ)」があり、その奥にある墓所(奥社宝塔)が徳川家康の墓地として崇敬を集めている。ここは毎年多くの観光客や歴史ファンが訪れる人気スポットでもある。
2-3. ほかに「徳川家康の墓地」があるとの噂は本当?
時々「上野寛永寺に家康の墓があるらしい」「増上寺にもある」などという話を耳にすることがある。これは正確には「家康を祀った霊廟」や「徳川将軍家の菩提寺」が東京にあるためだ。
- 上野寛永寺:歴代将軍家を祀る寺院だが、家康自身の墓地があるわけではない
- 増上寺:徳川将軍家の菩提寺の一つで、ここにも家康の墓は存在しない
こうしたところには、家康をはじめ徳川家に関連する墓所や霊廟が点在しているが、厳密に「徳川家康の墓地」と呼べるのは久能山と日光が中心だ。
3. なぜ久能山と日光の2カ所に墓がある?その歴史的背景
「墓が2つあるなんて、何やらオカルトじみているぞ!」と思った人がいるかもしれない。しかし、これは家康の意向と徳川幕府の政治的意図が絡んだ結果ともいえる。
- 家康自身の遺言:生前、駿府城(現在の静岡市)で晩年を過ごした家康は、駿河の地を大変気に入っていた。そのため「久能山に葬れ」と希望したという説がある。
- 日光への改葬:徳川幕府の威光を天下に示すため、交通の要衝である日光に神社を造営して家康を祭神として祀ったほうがよい、という幕閣の考えがあったとされる。
江戸幕府は、家康というカリスマを「神格化」することで政権の安定を図ろうとした。これが「東照宮」の由来であり、その壮大さは現在でも圧倒されるほどだ。こうして、久能山で火葬したのちに、日光へ遺骨の一部が移されることになった。
もっとも、どこまでが史実かは研究者の間でも議論がある。実際のところ「日光へ移されたのは家康本人の遺骨なのか、それとも何らかの象徴としての小さな遺物だったのか」など、諸説が存在するのだ。いずれにせよ、久能山東照宮と日光東照宮は、どちらも徳川家康の墓地として大切に扱われているという点に変わりはない。
4. 徳川家康の墓地の見どころ紹介
続いて、「徳川家康の墓地を実際に訪れてみたい!」という方のために、久能山東照宮と日光東照宮それぞれの見どころを紹介したい。
4-1. 久能山東照宮の見どころ
- 神廟(家康の墓所)
- 久能山東照宮の頂上部にある家康の墓所で、ここに家康の遺骨の一部が納められていると伝えられる。周囲は厳かな雰囲気が漂い、歴史の重みを肌で感じられる。
- 社殿の豪華な彫刻
- 日光東照宮ほど派手ではないが、漆塗りや金箔など、豪華絢爛な建築様式が見どころ。じっくり細部を観察すると、精緻な職人技に驚くはずだ。
- 久能山から望む絶景
- 久能山東照宮は海沿いの高台に位置しており、境内から駿河湾を一望できる。晴れた日には伊豆半島まで見通せることもあり、その景色は疲れた心を癒やしてくれる。
- いちご狩り(季節限定)
- 久能山は日本有数のいちごの産地としても知られている。参拝の前後にいちご狩りを楽しむのもおすすめだ。もちろんこれは家康とは関係ないが、歴史探訪の合間に甘いものは欠かせない。
4-2. 日光東照宮の見どころ
- 奥社宝塔(家康の墓所)
- 長い石段を登った先にある「奥社」には、徳川家康の墓地とされる宝塔が鎮座している。多くの参拝客が敬意を表して手を合わせる場所だ。静寂に包まれたこの場所は日光東照宮随一のパワースポットともいわれる。
- 陽明門・唐門などの極彩色建築
- 日光東照宮の最大の魅力は、何といっても豪華さを極めた社殿群。国宝の陽明門は「日暮門」とも呼ばれ、そのあまりの美しさに見とれていると日が暮れてしまうといわれるほどだ。
- 眠り猫・三猿などの彫刻
- 有名な「眠り猫」は左甚五郎作と伝えられる精巧な彫刻で、魔除けや家康の安眠の象徴ともされる。また、三猿(見ざる、言わざる、聞かざる)は人生の教訓を表しているとして、多くの人が写真を撮る人気スポットだ。
- 周辺の自然と温泉
- 日光といえば華厳の滝や中禅寺湖、湯元温泉など、豊かな自然と観光名所が多数存在する。東照宮だけでなく、周辺を一緒に回るとより充実した旅行になるだろう。
5. 徳川家康の墓地への行き方・アクセス情報
「現地に行ってみたいけど、どうやって行けばいいの?」という方向けに、徳川家康の墓地がある2つの東照宮へのアクセス方法をまとめた。
5-1. 久能山東照宮へのアクセス
- 電車とバス
- JR静岡駅で下車し、バス(静岡鉄道ジャストライン)で久能山下(久能山ロープウェイ)方面へ向かう。久能山ロープウェイを利用して山頂まで行ける。
- ロープウェイ
- 日本平ロープウェイを利用してアクセスするルートも人気だ。日本平から久能山へと一気に移動でき、途中の景色も素晴らしい。
- 車
- 東名高速道路の静岡ICまたは清水ICから国道150号線を利用。駐車場から歩いて久能山ロープウェイ乗り場へ行くか、石段を登るコースもある。
5-2. 日光東照宮へのアクセス
- 電車
- JRまたは東武線の日光駅で下車し、駅前から東照宮方面行きのバスに乗る。バス停「西参道」または「神橋」で降りて徒歩数分で到着。
- 車
- 東北自動車道の宇都宮ICで降り、日光宇都宮道路の日光ICへ。ICから約2kmほどで日光東照宮周辺に到着する。シーズン中は渋滞が激しいので、早めの出発を心がけたい。
6. 徳川家康の墓地にまつわる豆知識
ここでは、徳川家康の墓地にまつわる興味深いトリビアを紹介する。歴史の雑学や会話のネタとしてどうぞ。
- 「神君(しんくん)」という称号
- 徳川家康は死後、「東照大権現(とうしょうだいごんげん)」として神格化された。幕末まで「神君」と呼ばれることも多かった。
- 死因は?
- 家康の死因は様々な説があるが、有力なのは「胃ガン」や「病死」などだ。戦国武将としては長寿だったといえる。75歳は当時の平均寿命からすれば超人的。
- 三英傑の中で最も「お墓観光」が盛ん?
- 織田信長の墓と豊臣秀吉の墓は複数説あれど、家康ほど参拝客で賑わう施設はない。これは幕府が家康を「神」として祀る政策を行った結果でもある。
- 東照宮の数は全国に?
- 実は家康を祀る「東照宮」は日光や久能山以外にも全国各地に存在する。その数は100を超えるともいわれており、家康のカリスマ性がうかがえる。
- 久能山と日光、どちらが真の墓か
- よく聞かれる疑問だが、両方とも「家康の墓」として公式に扱われている。宗教的・政治的な背景を考えれば「どちらも本物」が正解といえる。
7. 周辺で楽しめる観光&グルメ情報
せっかく徳川家康の墓地を訪ねるなら、周辺観光やグルメも存分に楽しみたいところ。歴史を感じつつ、美味しいものや美しい風景も味わうのが大人の旅だ。
7-1. 久能山周辺のおすすめ
- 久能山いちご狩り:前述した通り、静岡県は全国有数のいちごの産地。特に久能山周辺の石垣いちごは有名で、甘みが強い。季節限定のいちご狩り体験は家族連れにも大人気である。
- 清水港(エスパルスドリームプラザ):清水区には清水港があり、海鮮グルメやちびまる子ちゃんランドなどの観光スポットが揃う。マグロの解体ショーをやっている場合もあり、食いしん坊にはたまらない。
- 三保の松原:世界遺産に登録された三保の松原まで足を伸ばせば、富士山を背景に広がる松原の絶景が待っている。晴れた日には「海×富士山×松」のトリプルコラボが拝めるぞ。
7-2. 日光周辺のおすすめ
- 華厳の滝:日本三名瀑の一つ。落差97mから豪快に流れ落ちる水流は圧巻で、マイナスイオンを浴びてリフレッシュできる。
- 中禅寺湖:標高1,269mに位置する美しい湖。湖畔を散策したりボートに乗ったりと、自然を満喫できる。秋には紅葉が湖面を彩り、多くの観光客が訪れる。
- 湯波料理:日光といえば湯波が名物。湯波を使った懐石料理やスイーツは、ヘルシーかつ上品な味わいで女性にも人気。
- 鬼怒川温泉:少し足を延ばせば、関東屈指の温泉地・鬼怒川温泉も近い。歴史巡りの疲れを温泉で癒やすのは最高の贅沢ではないか。
8. まとめ
ここまで「徳川家康の墓地」をテーマに、久能山東照宮と日光東照宮を中心に解説してきた。ポイントを整理しておこう。
- 徳川家康の墓地は、**久能山東照宮(静岡県)と日光東照宮(栃木県)**の2カ所が代表的
- 家康の遺骨は最初に久能山で火葬されたあと、一部が日光に改葬されたとされる
- 幕府の威光を示すため、家康は死後「東照大権現」として神格化され、全国各地に東照宮が建立された
- 見どころとしては、どちらも豪華な社殿や墓所、周辺観光スポットが充実している
- 久能山なら日本平ロープウェイやいちご狩り、日光なら華厳の滝や中禅寺湖、湯波料理などセットで楽しめる
「歴史ロマンを感じる旅がしたい」「ご朱印集めで東照宮を巡りたい」という方には、ぜひ両方の東照宮を訪れてみることをおすすめする。実際に両方行ってみると、建築や雰囲気に違いがあるし、アクセスのしやすさも異なる。家康ファンならぜひ比較してみてほしい。
参拝や観光を通じて、徳川家康の偉業や当時の政治状況などに想いを馳せることで、単なる史跡巡りとは一味違った発見があるだろう。日本の歴史好きはもちろん、海外の方にも自慢できる観光ルートだ。次回の旅行計画に、「徳川家康の墓地」を加えてみてはいかがだろうか?
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