本居宣長記念館を徹底解説!歴史、アクセス、見どころ、所要時間まで完全ガイド

三重県松阪市にある本居宣長記念館は、江戸時代の偉大な学者、本居宣長の生涯と学問に触れられる特別な場所。でも、どんな場所なのか、どうやって行けばいいのか、事前に知っておきたいよね。

この記事では、本居宣長記念館の歴史から、展示の見どころ、アクセス方法、そして気になる所要時間やグッズまで、初めての人でも安心して楽しめるように詳しく解説する。これを読めば、本居宣長の魅力にきっとハマるはずだ。

この記事のポイント
  • 本居宣長記念館は、偉大な国学者、本居宣長の全てがわかる場所である。
  • 旧宅「鈴屋」と一体になっており、当時の生活空間も体験できる。
  • 所蔵品は16,000点にものぼり、国宝級の資料が多数ある。
  • 年4回の企画展で、常に新しい発見がある。
  • 所要時間は約1〜2時間。松阪駅から徒歩圏内でアクセスしやすい。

    本居宣長ってどんな人? なぜ今も愛されるのか

    本居宣長記念館について知る前に、まずは本居宣長という人物について簡単に紹介しよう。

    本居宣長は、1730年に松阪の商人、小津家の次男として生まれた。彼は商売には興味がなく、医師を志して京都へ留学。そこで日本の古典を研究する「国学」の師、賀茂真淵と出会ったことが、彼の人生を大きく変えた。

    宣長は、師の指導のもと、日本の最も古い歴史書『古事記』を研究し、なんと35年もの歳月をかけて『古事記伝』という大著を書き上げた。この本は、当時の中国の学問(儒学)や仏教の考え方から離れ、日本古来の思想を探求したものだ。また、『源氏物語』の研究を通じて「もののあはれ」という日本独自の美意識を見つけ出し、後の日本の文学や思想に大きな影響を与えた。

    宣長の学問への姿勢は「継続は力なり」。彼は「学問というのは、ただ年月長く倦まず怠らず、励み努めること」と語っている。その言葉の通り、生涯をかけて学問を探求し続けた勤勉さが、彼の膨大な業績を支えたのだ。彼は賀茂真淵、平田篤胤らとともに「国学の四大人」と呼ばれ、今もその功績は高く評価されている。

    本居宣長記念館の基本情報とアクセス

    記念館へのアクセス方法と所要時間

    本居宣長記念館へ行くには、公共交通機関でも車でも便利だ。

    松阪駅から向かう場合、JR・近鉄松阪駅から歩いて約15分。松阪城跡の敷地内にあるので、松阪城観光とセットで訪れるのがおすすめだ。バスを利用するなら、松阪駅から三重交通バスで約5分の「市役所前」または「市民病院前」バス停で降りて、そこから徒歩5分。松阪市を巡回する「鈴の音バス」も利用できるので、市内観光にも便利だ。

    車で行く場合は、伊勢自動車道「松阪IC」から約10分。記念館には専用の駐車場があるが、徒歩数分の松阪市駐車場も利用できる。

    記念館を見学する所要時間は、旧宅「鈴屋」も含めて、じっくり展示を見るなら1〜2時間程度を目安にすると良いだろう。企画展の内容によって、さらに時間がかかる場合もある。

    宣長の旧宅「鈴屋」と共通券で楽しめる

    本居宣長記念館は、宣長が12歳から亡くなるまでの60年間を過ごした旧宅「鈴屋」と共通券で入館できる。これは、宣長の学問だけでなく、彼が実際に暮らした空間を体験できる貴重な機会だ。

    旧宅「鈴屋」は、松阪城跡の敷地内に移築・復元されたもの。ここで注目してほしいのが、2階にある宣長の書斎だ。彼はここで多くの鈴をぶら下げていたことから、この書斎は「鈴屋」と名付けられ、それがそのまま旧宅の名前になった。残念ながら、貴重な文化財なので中に入ることはできないが、隣接する見学場所から書斎の様子をのぞくことができる。

    1階には、宣長が医者として働いていた部屋や、歌会を開いた部屋などがあり、靴を脱いで上がって見学できる。当時の暮らしぶりが感じられる貴重な体験だ。この旧宅は、1953年に国の特別史跡に指定されている。

    また、松阪市内には宣長の墓「奥墓(おくつき)」など、ゆかりの史跡が点在しており、記念館でこれらの史跡に関する情報も得られる。記念館は、単なる展示施設ではなく、宣長の生涯を多角的に体験するための拠点となっているのだ。

    企画展で宣長の魅力に迫る

    本居宣長記念館には常設展示がなく、年4回、季節ごとにテーマを変えた企画展が開催される。これにより、訪れるたびに新しい発見があるのだ。

    例えば、過去には「宣長を取り巻く女性たち」と題して、彼を支えた母や妻、娘たちの役割に光を当てた展示や、「もののあはれを知る」と題して『源氏物語』研究を紹介する企画展もあった。2025年夏には「本が店に並ぶまで」というテーマで、江戸時代の出版文化と宣長の関係を紹介する企画展が予定されている。

    これらの企画展は、専門の学芸員による丁寧な解説が添えられており、難しい内容でもわかりやすく学ぶことができる。宣長が残した膨大な資料のなかから、毎回テーマに沿った貴重な資料が展示されるので、宣長ファンはもちろん、初めての人でも楽しめるだろう。

    本居宣長記念館のコレクションと「記録の人」宣長

    本居宣長記念館には、宣長が残した約16,000点もの貴重な資料が収蔵されている。その中には、なんと国指定の重要文化財が1,949点も含まれている。これは、宣長が非常に几帳面で、「何でも書き残す」習慣があったからだ。

    宣長の「日記」から見えてくる意外な素顔

    宣長が残した資料の中で特に興味深いのが「日記」だ。彼は13歳から日記を書き始め、生まれた日の記事まで遡って記録していたという。亡くなる1年前には、葬儀の仕方まで細かく指示した「遺言書」も残している。

    これらの記録から、彼は単なる学問の偉人ではなく、日々の生活を大切にし、近所付き合いや医者としての仕事もそつなくこなす、真面目で几帳面な人物だったことがわかる。家計簿や医業の記録まで残しているのは、まさに「記録の人」宣長ならではだ。

    彼の自画像も興味深い。彼は自分の姿を描くのが好きで、44歳と61歳の時に自画像を描いている。これらの絵には、彼が愛した山桜や、机の上に置かれた書物など、愛用品が細かく描かれている。中でも61歳の自画像には、彼の代表的な歌「敷島の大和心を人問はば朝日に匂ふ山桜花」が添えられている。この歌から、彼がいかに桜を愛し、日本の心を桜に重ねていたかが伝わってくる。

    グッズや図録で宣長の世界を深掘り

    記念館のミュージアムショップでは、展示内容に関連したグッズや書籍、図録などが販売されている。特に、企画展のテーマに合わせた図録は、展示内容をさらに深く理解するのに役立つ。

    また、宣長が愛した鈴をモチーフにしたキーホルダーや、彼の自画像が描かれた絵葉書など、ここでしか手に入らないグッズも多数ある。これらのグッズは、記念館を訪れた思い出としてはもちろん、宣長に興味を持つきっかけにもなるだろう。

    FAQ:よくある質問

    本居宣長記念館について、よくある質問とその答えをまとめた。

    Q1: 本居宣長記念館の入館料はいくらですか?

    A1: 大人400円、大学生300円、小人(小4〜高校生)200円だ。本居宣長旧宅「鈴屋」との共通券となっている。30名以上の団体には割引がある。

    Q2: 記念館の休館日はいつですか?

    A2: 月曜日(祝日の場合は翌平日)と年末年始(12月29日〜1月3日)が休館日だ。事前に公式サイトで確認するのが確実だ。

    Q3: 駐車場はありますか?

    A3: 記念館敷地内に専用駐車場がある。満車の場合は、徒歩3〜5分の松阪市駐車場も利用できる。

    Q4: 所要時間はどのくらいですか?

    A4: 旧宅「鈴屋」を含めて、じっくり見学するなら1〜2時間程度を見込んでおくと良い。

    Q5: 記念館でどんなグッズが買えますか?

    A5: 鈴をモチーフにしたキーホルダー、宣長の自画像が描かれた絵葉書、企画展の図録などが販売されている。

    Q6: 子どもでも楽しめますか?

    A6: 毎年、小中学生を対象にした「宣長学習」の作品展が開催されるなど、子ども向けの企画も行われている。展示解説もわかりやすいので、親子で楽しめるだろう。

    Q7: 「鈴屋」には入れるんですか?

    A7: 1階の各部屋は靴を脱いで見学できるが、2階の書斎「鈴屋」は文化財保護のため入室できない。隣接する見学場所から見ることができる。

    本居宣長記念館は、過去と未来をつなぐ場所

    本居宣長記念館は、単に歴史的な資料を展示するだけでなく、宣長が追求した学問の姿勢や、日々の暮らしを大切にした人間性までを伝える特別な場所だ。松阪城跡という歴史的な空間と一体となり、訪れる人々に深い学びと感動を与えてくれる。

    もしあなたが日本の歴史や古典に少しでも興味があるなら、ぜひ一度、松阪市の本居宣長記念館を訪れてみてほしい。彼の「継続は力なり」という精神に触れ、新たな発見があるに違いない。

    本居宣長記念館で、あなただけの「もののあはれ」を感じてみませんか?